超音波ハンダ付けの原理
どうしてガラスやセラミックスにハンダ付けできるの?
超音波ハンダ付け装置「サンボンダ」、特殊ハンダ「セラソルザ」を導入することで、従来ハンダ付け出来なかったガラスやセラミックスといった難ハンダ材料にハンダ付けが可能となった理由をご紹介します。
従来のハンダ付けの接合方法
ハンダを融点以上に加熱することにより、母材との接合面でハンダと金属が交じり合います(拡散)。
その結果、合金が生成し接合されます。
セラソルザ(セラソルザ・エコ)の接合方法
コムラテックの特殊ハンダ「セラソルザ」は従来ハンダ付けが不可能であったガラス・セラミックスへの接合も可能にしました。
セラソルザには、酸素と結合しやすい金属が含まれており、その金属が材料表面の酸化膜と結合します。
サンボンダのキャビテーション効果
ハンダ付けの際に、超音波ハンダ付け装置「サンボンダ」を用いることで超音波のキャビテーション効果が得られます。
キャビテーション効果とは、超音波によりハンダ中に生じた気泡が破裂する際に起こす衝撃波が、溶融ハンダ表面の酸化膜や母材の表面の油脂・ゴミ・埃等の汚れを除去し、活性化させる作用のことを指します。また、超音波により拡散や酸化が促進され、より強固に接合します。
つまり、サンボンダを用いることでノーフラックスでのハンダ付けが可能になります。
また、特殊ハンダ「セラソルザ」はガラスやセラミックスへの接合を可能にしました。
窒化物や炭化物、またタングステン・モリブデン・チタンの様な難ハンダ付け性金属と呼ばれる材料でも、全ての物質は表面にごく薄い酸化物層を持つため接合が可能です。
このように、当社の超音波ハンダ付け技術はサンボンダとセラソルザの相乗効果により、今までのハンダ付けの"不可能"を"可能"にします。
(1)コテにハンダを取った状態
母材にもハンダにも酸化膜があります。
母材の表面にはゴミや汚れが付着しています。
(2)ハンダが母材に置かれている状態
まだ母材にもハンダにも酸化膜があります。
(3)超音波をかけはじめた状態
コテ先が超音波振動することにより、負圧をかけた際に、ハンダ中に気泡(キャビティ)が発生します。
(4)気泡が消滅した状態
超音波振動で発生した気泡(キャビティ)が、正圧をかけた際に、気泡が消滅して、ハンダを取り囲んだ酸化膜に衝撃を与えます。
(5)ハンダの酸化膜が除去される状態
気泡が消滅する際のキャビテーション効果によって、ハンダの酸化膜が除去されます。
(6)ハンダ中の成分が結合した状態
ハンダ中の亜鉛(Zn)成分が、母材表面の酸化膜と酸化結合されます。
(7)ガラスにセラソルザが結合した状態
ガラス(SiO2)の表面の酸化膜とセラソルザが界面で結合されます。